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2018年4月 6日 (金)

異常と正常

Photo

写真はエセル・グレンジャーである。彼女は歴史上もっとも小さなウエストの持ち主で、なんと13インチ(32センチ)であった。もちろん13インチより小さいウエストの持ち主は歴史上存在したかもしれないが、確認可能な範囲では最小のウエストである。コルセットトレーニングを始める前のウエストは24インチ(60センチ)であるからごく普通のウエストサイズであった。1929年から1939年までの10年間でウエストを13インチ(32センチ)まで絞り込んだ。1929年当時欧米でもすでにコルセットでウエストを絞り込む習慣はほぼ廃れていたにもかかわらず、エセルはコルセットトレーニングを始めたことになる。

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これはエセルの夫で天文学者のウィリアム・アーノルドグレンジャーの要望に応えてのことである。夫の異常ともいえる要望に応えてあげたエセルはどのような思いだったのか?どのような思いであったとしてもウィリアムが幸せものであったことは間違えない。ウィリアムの学者としての能力や業績は今一わからないが、コルセットやピアスを妄想的に崇め、異常な方向性の性欲の持ち主であったことは間違いないように思う。

ウィリアムだけでなくコルセットやピアスをフェティシズムの対象としている男性は少なくない筈だ。歴史的には20世紀初頭までの欧米ではすべての男性がコルセットにそうした思いを持っていた。そうであることは異常などではなく多数の常識であった。一方、女性もコルセットをしていない女性などいなかった。異常正常は所詮多数か少数かということに他ならない。社会全体がコルセットを妄想的に崇め、コルセットに異常な方向性の性的感情を持っていたのが20世紀初頭までの欧米であった。

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