ラス・メニーナス
写真は1656年、ベラスケスのラス・メニーナス(宮廷の侍女)
中央にいるのが、5歳になる国王の娘マルガリータである。5歳で既にコルセットとファージンゲール(パニエ)を着けている。高貴なマルガリータはそれが当然なことなのかもしれない。あくまでも美しく高貴に描かれている。
マルガリータの左右の女官は決して美しいとはいえない、犬の後ろにいる醜女は宮廷道化師マリ=バルボラである。右端で犬を蹴って遊んでいるのは、宮廷の道化師ニコラシトである。彼女らは意図的にセンスの悪い服装をさせられ、マルガリータの美しさを際立たせるために存在している。
道化師たちは市井の話題を宮廷に面白可笑しく伝えるという役割を以って陰鬱になりがちな宮廷の雰囲気を和ませた。矮人や知的障害者が道化師となり、貴人たちの退屈しのぎに、生きた玩具代わりとして、ときには王子王女の体罰の身代わりとして扱われ、障害の程度が高いほど珍重されたという。 いろいろな意味で残酷な時代である。
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