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2012年10月 4日 (木)

文学とコルセットNo2

”ジャンヌがコルセットの紐を二重結びに結んでしまうと、Oはベッドの上のドレスを手にとった。それはワンピースで、スカートには取り替えのきく裏地のようなペチコートが重なり、また、前で交差し背中で結んである胸飾りは、コルセットの締め加減によって、微妙な胸の曲線を自由に出せるように工夫してあった。ジャンヌはコルセットをたいそうきつく締めた。Oは、あけ放しになっていたドアから、浴室の鏡に映る自分の姿をながめた。鏡に映った彼女の姿は、輪骨でふくらませたように腰のまわりに緑色の繻子を氾濫させ、そのなかに小さく埋まっている姿だった。”(P66~P67)                

着ている服は、厚地の綾織り絹の堂々たるドレスで、中世の花嫁衣裳のように赤く、裾はたっぷり足まであり、腰はふくらみ、ウエストはぴったり締まり、胸の線をくっきり浮き出させている。それはデザイナーがショー・ドレスと呼ぶ種類のもので、誰も着て歩けないような服だった。思いきり踵の高いサンダルも、やはり赤い絹でできていた。ジャクリーヌがこのドレスを着、このサンダルをはき、何やら仮面を思わせるこのベールをかぶり、Oの目の前にいるあいだ、Oはひとり心のなかで、このモデルを補足し修正していた。手を加える必要はほとんどなかった。ウエストをもっと締めつけ、乳房をもっと突き出させさえすれば、ーそれは、ロワッシーのドレスとそっくり同じだった。(P98)           

最近、ヘヤーヌードなるものも社会的に容認されているようだ。しかし、上の文章はヘヤーヌードよりもエロテックではないだろうか?見せないこと、隠すことこそエロテズムの本質ではなかろうか?それゆえヘヤーヌードなるものもは決して質の高いエロテズムではないと思う。ニーチェは「禁欲こそ最高の好色である」と言っている。禁欲のシンボル、コルセット、だからこそコルセットはエロテズムの象徴でもある。なんとも奥深い下着である。

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