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2012年10月 3日 (水)

文学とコルセットNo1

 我々はこのごろインターネットの普及で動画や写真を見ることが非常に容易になった。動画や写真は言葉で伝えにくいことをいとも簡単に伝える雄弁さを持っている。だから、今までこのブログには可能な限り画像を掲載してきた。しかし、一旦画像を見てしまうとそれがイメージとして固定され決して消し去ることはできないだけでなく、想像する楽しみを一切奪い取られてしまう。そこで、今日は言葉だけでイメージがどんなに膨らむのかを確かめてみたい。題材は「O嬢物語」である。

”彼女たちは、足の隠れるほど長い、ふんわりとふくらんだスカートをはき、胸をぐっと突き出させるほど締めつけた、全面を紐とホックで留めるコルセットをつけ、襟ぐりと、肘までの長さの袖の先には、レース飾りをつけていた。”(P33)”Oの衣装は、二人の婦人の衣装と同じようなものだった。ウエストをきつく締めつける張鋼で張ったコルセットと、糊のきいた寒冷紗のペチコートの上に、ふんわりしたスカートの長いドレスを着るのであったが、ドレスの胴部は、コルセットで持ちあがった乳房をわずかにレースでおおうのみで、ほとんど乳房をむき出しにしていた。ペチコートは白、コルセットと繻子のドレスは海緑色、レースは白であった。”(P43)”「わたしはあなたのお化粧と、コルセットの紐を締めに来てあげますから」”
”ジャンヌは、緑色の繻子のコルセットと、白いペチコートと、ドレスと、緑色のスリッパとを取りあげ、Oのコルセットの前のホックを留めると、うしろにまわってコルセットの紐を締めはじめた。コルセットは細腰時代のそれのように、きつく張鋼で張った、細長くかたいもので、乳房のおさまる部分には襠(まち)がついていた。締めつければ締めつけるほど、乳房は押しあげられ、下から襠に支えられて、乳首がいよいよ突き出した。同時にウエストが締めつけられ、そのため腹がぐっと張り出し、腰が極端に弓なりになることになった。ふしぎなことに、この装具はきわめて着心地よく、それほど苦しくはなかった。身体はまっすぐに突っ張っていたが、コルセットに包まれていない部分はむしろ自由であり、のびのびと解放されているように感じられた。二つの部分の対照のためかとも思われたが、理由ははっきりわからなかった。ふんわりしたスカートを、首の付け根から乳首まで、胸ぜんたいを大きく梯形に切りこんだ襟とは、これを着る娘を保護するためというよりは、むしろ挑発するため、誇示するための装具のように見えた。”(P66) 

目をつぶってイメージを広げてみてください。

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